タイヨウのした(東京都目黒区)
「自分がデザインしたものだけでなく、長く使えるものをセレクトしています」。
暮らしの道具を集めた店「タイヨウのした」を開いたのは、デザイナーの小林幹也さん。各地のメーカーと、家具や日用品、台所道具を生み出している。
置いたとき生活の場に馴染むもの、さり気ないけど生活を彩るもの。それが、小林さんのものづくり、もの選びの基準だ。
木のテーブルや棚には器やカトラリー、バッグなどの生活道具。「単純においしいもの」を基準に選んだ食材も並ぶ。旬の果物で作ったジャム、友人のお菓子職人が作る店のオリジナルクッキー、南欧のオリーブオイルやドライトマト等々。
2階と3階は家具のギャラリー。カリモク家具や冨士ファニチアなど、小林さんがデザインした家具が、生活をイメージしやすいようにレイアウトされている。
店ではカリモク家具の新作シリーズ「HARU」を先行発売している。
「天板は、パルプや燃料にしか使われていなかった東北のナラの小径木を集成しています」とテーブルを撫でる小林さん。
そもそも店を開こうと思ったのは、ものを作るところから販売まで責任を持ちたいという思いから。小林さんは店のスタッフと共に自ら店に立ち、接客もする。
「ものの背景をていねいに伝える。その上で買ってもらいたい」。
今後、職人さんを呼んで、木を使ったものづくりのワークショップも開こうと考えている。
(2011年夏号)